Alt-Dragging まとめ

お久しぶりです、masm11 です。

突然ですが、「Alt-Dragging」ってご存知でしょうか? Alt キー + マウスドラッグ でウィンドウ自体(タイトルバーに限らない)を掴んで移動させる操作方法のことで、 Linux と言わず、UNIX の世界ではずっと前から常識でした。

そんな常識を持った私は、Windows95 を最初に触った時、ウィンドウを移動するのにタイトルバーを掴まないといけないことを知り、 「使いにくい…」と苦痛でした。 たかがウィンドウを移動したいだけなのに、なんてやりにくい操作を・・・ あれからもう30年近く経つんですね。 何年か前から「Linux + KDE のように Alt + マウスドラッグでウィンドウを動かしたい」という要望に答える ツールが出没しているようです。

今回は、Linux+KDE, Windows, macOS で Alt-Dragging できるようにする設定方法を、OS ごとに紹介していきたいと思います。

Linux+KDE

KDE システム設定を開き、ウィンドウの操作 → ウィンドウの挙動 で、修飾キーを Alt に設定し、 「左クリック」を「移動」に設定します。

これだけです。さすが老舗、簡単ですね。

Windows 11

AltSnap というツールを導入します。こちら にありますので、 Releases の AltSnap 1.62 をクリックすると、release note ページに遷移しますので、 AltSnap1.62-x64-inst.exe をダウンロードし、実行するとインストールできます。

自動起動を設定しておくと良いでしょう。 ただし、通常の権限で実行すると、管理者権限のウィンドウを移動することはできません。 必要なら管理者権限で実行すると良いのですが、そうすると毎回 UAC がポップアップして邪魔なので、 この自動起動に頼るのでなく、この辺を参考にタスクスケジューラから起動するようにすると良いでしょう。

なお、このツールでは WSLg のウィンドウを動かすことはできません。 また、原神をプレイする人は、「Alt を押しながらマウスを移動してクリック」の操作ができなくなってしまいますので、 ブラックリストプロセスに GenshinImpact.exe を追加すると良いでしょう。

macOS (Sonoma 14.7)

まずは ctrl+command+ドラッグ で移動できるように設定します。

端末を起動し、以下のコマンドを実行します。

defaults write -g NSWindowShouldDragOnGesture -bool true

(false にすると設定を元に戻せます)

設定したら、macOS を再起動します。

以上で、ctrl+command+ドラッグで移動できるようになったかと思います。

次に、Alt キーでも同様の操作ができるように設定します。 Karabiner-Elements というツールを導入します。 こちら にありますので、ダウンロードしてインストールします。

起動するとメニューバー右半分にカラビナのアイコンが表示されますので、そこから設定を開きます。 Complex Modifications を選択し、Add your own rule をクリックします。

テキストエリアがポップアップしますので、その中の初期テキストをざっくり削除して、以下のように入力します。

{
    "description": "Alt+Drag1 → Ctrl+Cmd+Drag1",
    "manipulators": [
        {
            "from": {
                "modifiers": {
                    "mandatory": [
                        "left_option"
                    ],
                    "optional": [
                        "any"
                    ]
                },
                "pointing_button": "button1"
            },
            "to": [
                {
                    "modifiers": [
                        "left_control",
                        "left_command"
                    ],
                    "pointing_button": "button1"
                }
            ],
            "type": "basic"
        }
    ]
}

中身としては、「左 option + ボタン1」を「左 control + 左 command + ボタン1」に置き換えるものになります。

入力したら保存します。

あと、Devices を選択し、使っているマウスの Modify events を ON にします。 なお、Apple internal Keyboard / Trackpad (Apple) もあるのですが、Apple pointing devices are not supported とのことで、 トラックパッドではこの方法で Alt-Dragging することはできません。

以上で、Alt-Dragging できるようになったと思います。

まとめ

各 OS での設定方法を紹介しました。 macOS や Windows では若干の制限はありますが、なかなか便利に使っています。 もうタイトルバーなんか掴んでいられないですね!

ちなみに、弊社エンジニアは Mac を使っています。 どんなソフトウェアでも使って良いわけではないですが、 Karabiner-Elements については私がねじ込んでありますので使えます!

ではまた!