メタ思考はスキルであり、習慣だった

はじめに

こんにちは!インゲージに入社して、もうすぐ1年が経とうとしているPMのgorugo0516です。
今回は、最近読んだとても面白い本について感想を書いていこうと思います。

この本を読むきっかけ

先日、外部のPMコーチの方との1on1の機会がありました。
そこで私は、「自分が目指したいPM像」と「現在感じている悩み」について率直に相談しました。

私が目指しているPMは、ユーザー自身もまだ気づいていない課題を見つけ出し、それを“使いたい”と思える形で提示・解決できるPMです。
また、仮説を自ら立て、検証・学習・改善のサイクルを主体的に回せるようになりたいと考えています。

一方で、現状は顧客理解・プロダクト理解の浅さに悩んでいて、特に自分がチームの中で最も理解度が低いと感じてしまう場面が多く、自信を持てずにいました。
わからないことが増えると手が止まりがちになり、「目の前のリリース対応」に追われて戦略的に動けない自分に焦りを感じることも多かったです。

そんな私に対して、コーチの方から「まずはメタ認知力を高めると良い」とアドバイスをいただきました。
そして紹介してもらったのが、今回読んだ『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』(細谷功 著)でした。

書籍『メタ思考トレーニング』の概要

『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』/細谷功 著

本書では主に2つの思考法が紹介されています。

  • Why型思考
     なぜ?を繰り返し問題の本質に迫る。「目的」に立ち返る思考法

  • アナロジー思考
     異なる事象の共通点や類似性を見出し、新しい視点や発想のヒントにする思考法

本書には34問の実践問題が掲載されており、
たとえば「回転寿司のように回転○○を作るとしたら?」などの問いが、視点の転換や気づきを促してくれます。

「思考のトレーニング」をゲーム感覚で楽しめるため、学びや仕事、アイデア発想の習慣化にぴったりです。

そもそもメタ認知とは?

メタ認知とは、「自分の考え方や学び方を客観的に理解・調整する力」のこと。
簡単に言うと、「自分の頭の使い方を見つめ直す力」です。

たとえば…

  • 「今、自分はちゃんと理解できてるかな?」と考える
  • 「このやり方じゃ覚えにくいな、別の方法に変えてみよう」と切り替える

など、自分の思考・行動をもう一段高い視点で見て調整する力のことを指します。

印象に残った問い&実践してみたこと

出てくる問いに対して、「どんな答えがあるだろう?」と考えながら本を読み進めました。
中でも特に印象に残ったのが、第1章のWhy型思考に出てくる問いです。

【演習問題】

「ドローンについて調べて報告して」と上司やお客様から言われました。
次に取るべきアクションを1分間でなるべく多く挙げてください(目安:10項目)。

最初、私は「インターネットで検索する」「ChatGPTに聞いてみる?」など、
“調べ方”に関するHOWのアクションを思い浮かべました。

でも途中で、「そもそも依頼主はなぜドローンについて知りたいんだろう?」「この情報をどう使うんだろう?」と疑問に思ったんです。
それを聞いてからでないと、的外れな調査をしてしまうかもしれないと気づきました。

本書ではこの問いについて、「アクションは大きく2つに分類できる」と解説されています。

  • HOWのアクション:ドローンについて調べるための具体的行動
  • WHYのアクション:なぜそれを調べる必要があるのか、目的を確認する行動

ここでの気づきは、問題をすぐに解こうとするのではなく、
まず「この問題は何なのか?」と捉え直すこと──それこそがメタ思考だということです。

私自身の反省点としては、WHYの視点にたどり着きはしたものの、
そのWHYからどんな仮説が考えられるかまで掘り下げる力がまだ足りていないことに気づけました。

メタ思考が仕事にどう役立つか

  • 複雑な議論で話が噛み合わないとき、「問いの前提」がずれていることに気づける
  • 会話や仕様検討で「この議論、何の構造を見てる?」と整理する視点が持てる
  • PRDやレビューで「判断軸」を言語化しやすくなる

…と言いたいところですが、正直まだ、本を読んだだけでそこまで実践できるほどではありません。

これまでの思考のクセや“思考停止”しがちな習慣は、そんなに簡単には変わらないものだと実感しました。

でも、まず「気づけるようになる」ことがスタートライン。
私はこの本を通じて、

  • 「話がうまい人」や「瞬時にアイデアを出せる人」は、特別な脳を持っているのではなく、
  • 考え方のパターンや発想の型を、日々の中で自然とトレーニングしているんだ

ということに気づきました。

そして、自分にもその型を身につける可能性があると感じられたことが一番の収穫でした。

この本のやさしいところ

技術書や自己啓発書は、読んだあとに「なるほど」と思っても、
時間が経つと忘れてしまって、結局読む前とあまり変わらない…という経験、ありますよね。

この本のいいところは、読後に継続するためのヒントを与えてくれることです。

📌 メタ思考を鍛えるための3つのヒント
  1. 自分に「ツッコミ」を入れる
     熱中しているときほど、冷静な“もう一人の自分”を意識する。

  2. 性格が悪くなる
     他人の意見を鵜呑みにせず、自分の頭で考える「距離感」を持つ。
     → 私は、すぐ「なるほど〜」と人の意見に同調しがちなのでこれは刺さりました…!

  3. 共通点探し
     「一見違うけれど、共通点のあるもの」を探す。
     微妙な抽象度を見極めるトレーニングが必要。

これらを意識するだけでも、日々の中でメタ思考の習慣が身についていく気がしました。
私もこの3つを心に留めて、業務に向き合っていきたいと思います。

まとめ:メタ思考はスキルであり、習慣である

メタ思考は決して難しい概念ではなく、“考え方のレイヤーを一段上げる”だけで起きる変化です。

  • 違和感に正直になる
  • 問いそのものを疑ってみる
  • 会話中に気になることは流さず、質問したり深掘ってみる

そんな小さな習慣の積み重ねが、
思考の解像度を上げ、より良い判断や選択につながるのだと感じました。