問いかけがチームの思考を整える

こんにちは!24年度新卒エンジニアの ryoaio... もとい、駆け出しのPMとして働いております、ときりょです!

今回は、最近「やってみてよかった」と思った経験を2つご紹介し、その学びを共有したいと思います。

問いかけが思考を整える

今開発しているものの1番の指標は何ですか?

「プロダクトの指標が何であるか」は非常に重要です。

その中でも1番重要な指標は何か?を考えておくことは、あらゆる意思決定をしていくために欠かせない軸となります。

例えばサッカーにおける得点は、チームにとって1番の明確な指標です。 ボールの支配率やシュート数がいかに優れていても、得点が取れていなければ、そこに価値=勝利はありません。

指標をPMだけでなく開発に関わるメンバー全員が認識しておくことは、その指標において良い成果を出せるような、本質追求したプロダクトを生み出すために非常に重要なアクションとなります。 そしてそれは、「指標はこれでいきます」とPMが一方的に伝えて進めるのではなく、「このプロダクトの指標はなんだろう」とそれぞれが深く考え、納得した上で進めていく方が、より有効だと思います。

....ということを先日、チームに伝えた上で、ファシリを私にして話し合う時間を設けました。

コーチング

ところで、私は大学時代、アルバイトで塾講師をしていたことがあります。そこで学んだことは「コーチング」の技術。

コーチングとは、「相手の中にある答えを、質問と傾聴を通じて引き出すコミュニケーション技術」です。


• ティーチング(教える):知識や方法を「伝える」ことで相手を導く

• コーチング(引き出す):質問や対話を通じて「本人の考えや答え」を導く


コーチングは、3つの基本要素があります。これらをもとに、コミュニケーションを繰り返していきます。

  1. 傾聴:相手の話を評価せず、深く聴く

  2. 質問:「どう思う?」「それが起きたら何が嬉しい?」など思考を促す

  3. 承認:相手の意見や変化を認め、安心して考えを深められる場をつくる

コーチングにおいて、コーチ側の意見は一切必要ありません。

これは、相手の考えを引き出す・整理する手段としても、関係性を構築する上でも非常に有用です。生徒一人ひとりと誠心誠意向き合うためにも、私にとって必要不可欠なものでした。

コーチングを実践した結果

今回の話し合いが始まってすぐ、1人のエンジニアに向けて、「お客様がこのプロダクトを使う目的は何だと思いますか」と聞きました。

得られた答えをもとに次々と、

「なるほど。では、その人がその目的を達成したいと思うのは、なぜでしょうか」

「それができたら、その人はどんな嬉しいことがあると思いますか」

「〜だと思うのですね。それが嬉しいと感じるのは、なにが背景にあるからでしょうか」

...と、一つずつ問いを投げかけました。そうして引き出した思考をもとに、他メンバーにも投げかけを行い、どう思うかを引き出していきます。

そうしているうちに、全員が抱えている考えが明確化され、自然と「このプロダクトにおいて重要な指標は、これじゃないか?」「これは他の要素による影響が大きく、絶対的な指標にならないのではないか?」といった意見が飛び交う、有意義な場にすることができました。

問いかけが認識のズレを解消する

仕様が間違って伝わった

最近、「PM(私)が伝えたつもりになっていた仕様が、エンジニアに間違って伝わって実装された」ということがありました。

よくある光景かもしれません。

私とそのエンジニアの方はコミュニケーションを密にとるタイプであり、お互いにちゃんとやれていたつもりだったのです。

何が原因だったのか?

それがきっかけでトラブルを引き起こしてしまったとき、「原因は何だったのだろう、再発を防止するためにはどうしたらよいのだろう」といったことを話し合いました。


「仕様やその取り決めの背景を一番理解しているのはPMだけという状態である」

「つまり、PMとエンジニアで理解度に差がある」

なぜ?→ 「PMは仕様を練ってドキュメントに起こしたり、エンジニアに伝えるというアウトプットをしてきているから」

「それがないエンジニア自身では、間違っていても気がつけない」


そこで得られた結論の一つは、「当時PMから口頭で伝え、エンジニアもその場で合意した仕様を、"そのまま文字に起こして、エンジニアのバックログアイテム化したのもPMだった" ことに問題があったのではないか」ということでした。

そうして、わかったつもりで、そのままエンジニアが着手してしまった。

今後、よりよくするには

再発防止に有効だと思ったのは、「伝えたことを、受けた側が言葉にする」ことです。「今伝えた仕様の期待値を、あなたの言葉でまとめるとどうなりますか?」と問いかけを行うわけです。

受け手が、聞いて理解したことを自分の言葉にしてみる。

そして、伝えた側がそれを確認する。

これを徹底するだけで、認識のズレは必ずその場で見つかるようになります。

それ以来、このことを意識して過ごすようになりましたが、問いかけによる効果を実感しており、良い学びだったと思います。

まとめ

今回の経験を通して感じたのは、問いかけには思考を整える力があるということです。

チームの中で交わされるひとつひとつの質問や相槌が、誰かの考えを引き出し、全員の認識を本質へと近づけていく。会話中の問いかけが、お互いの認識をすり合わせることに繋がる。 それは一見遠回りのようで、プロダクトをより正しい方向に導く最短経路なのかもしれません。

駆け出しのPMとして、今自分ができること。それは、自分が思う正解を提示することよりも、正解を一緒に見つけるための問いを立てられることなのではないか。問いかけの重要性を改めて実感した一日でした。

これからも日々、小さな問いと学びを積み重ねていきます。


最後までご覧いただき、ありがとうございました...!

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